薬師丸ひろ子のWoman “Wの悲劇”より という曲を知ってますか?
僕は結構最近まで知りませんでした。
今回は、この曲のコード進行は凄いっていうお話です。
なんかマニアックで専門的な話になってしまったかもしれませんので、
あんまり興味のない人は軽く流してもらえたら…。
この記事は見出しと太字にアンダーラインの箇所を読むだけでも
なんとなく内容がわかるようになっています。
全て読んでも大体、5〜10分で読める記事になっています。
本日のテーマはこちら
「Woman “Wの悲劇”より」のコード進行がすごい【サビの転調】
作詞は松本隆
作曲は呉田軽穂ことユーミン
アレンジは松任谷正隆
(松本隆は作詞活動50周年だそうで…50年って、すごい)
この曲を知ったきっかけ
サカナクションの山口一郎とユーミンの対談記事を読んだ時、
「人に提供した曲の中でも、特にこの曲は神曲。」みたいな自画自賛をしていて、
俄然興味が湧いて早速聞いてみましたところ、確かにすごい曲だったわけです。
ちなみにその対談記事、ブログの最後に貼っときますので、興味がある方はぜひ。
ユーミンといえばコチラもどうぞ↓
【結論】サビの転調がすごい
僕が耳コピした感じだと、Aメロからサビの進行は以下のような感じ。
一体どこが凄いと思ったのか。
Bメロからサビに入る時(上の画像の赤い印の箇所)にキーがCmからA♭に転調しているのですが、
このコードでの転調は聞いたことがなくて、びっくりしました。
ルートはそのままですし…。
なぜか不思議な高揚感というか、サビの盛り上がりがありますね。
この転調をBメロからサビでやっている曲って他にあるのかな…。
僕は他に知りません。
転調した後、元のキーへの戻り方が美しい
転調って行きはよいよい 帰りはこわいとだと思います。
つまり曲中で、最初に転調する時はスムーズにできても、
元のキーに戻すのが難しいという意味です。
なぜ元のキーに戻すのか
歌ものの曲って1番がAメロ→Bメロ→サビで2番もAメロ→Bメロ→サビという感じで、
繰り返すことが多いですよね。
なので、この曲みたいにサビで転調した場合、
2番のAメロまでに元のキーに転調しなおさないと、
次のAメロが同じAメロにはならないからです。
(もちろん元のキーに戻らないものもたくさんあります。)
この曲は自然に元のキーに戻っている
上記のように転調した後、また転調して元のキーに戻る曲は多いのですが、
“その明らかに転調した感じ”が少し不自然に感じる曲もあります。
この曲はとても自然に元のキーに戻ります。
それはまるで転調してないのかなとさえ思うほどです。
下記の赤い丸の部分が戻るときの転調部分です。
曲の雰囲気も異様で美しい
もちろん詞とかアレンジももちろん素晴らしいのですが、
サビのコードに関して言うと、
メロディのロングトーンの部分は全てテンションノートなのが、
独特な雰囲気の理由の一つだと思います。
(テンションノートに関してはググってみてください。)
特にサビの最初の音は9thという音で、これがとても気持ちいいです。
1番のAメロでは窓の側で星を見ていて素敵ね。みたいな歌詞なんですが、
サビでは宇宙に行ってしまってそうな感じです。
まとめ
この曲のコードの魅力は以下の2点。
1.サビの独特な転調
2.サビのロングトーンは全てテンションノート
以上です。
ユーミン自身、作曲した中で一番気に入ってるみたいな話も聞いたことがありますが、
納得の曲だと思います。ここまで読まれた方がいらっしゃったら、
ぜひ一度聞いてみてください。
松本 隆作詞活動50周年トリビュートアルバムでは、
池田エライザがカバーしたそうです。
これもボーカルがすぐ近くで歌ってる感じとか曲中にある低音感がよかったです。
個人的にはこの曲を玉置浩二が歌ってるのが聴きたい。
ユーミンと山口一郎(サカナクション)の記事はこちら。
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